今も昔も…人々のよりどころ 北見「ピアソン記念館」

北見市の郊外の高台にひっそりと建つ洋館をご存知ですか?モスグリーンの屋根や窓枠が印象的なこの建物は、アメリカからやってきた宣教師夫妻が暮らした住まい。現在では夫妻の功績や北見の歴史を紹介する記念館になっています。今も昔も人々が集う「ピアソン記念館」をご紹介。

アメリカ人宣教師・ピアソン夫妻の軌跡

明治時代、神学校の教員として来日をしたピアソン氏と、のちに妻となるアイダ氏。二人は東京で出会い、夫婦となり、北海道での布教活動へと移ります。小樽、札幌、旭川と布教を続けた夫妻。アイヌ伝道や学校教育の振興、注釈付き新約聖書の出版などに尽力したそうです。日本での最後の布教地に、野付牛(アイヌ語で「地の果て」、現北見市)を選びます。

高台の洋館は人々の注目の的

夫妻はピアソン氏の故郷・エリザベス市に似た野付牛の高台に居を構えます。今は開けた土地にたたずんでいますが、当時はニレや柏の大木に囲まれていたそうです。こちらの設計は日本で数々の西洋建築を手がけたウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏(建築家でもあり現メンタームの設立者としても有名!)によるもの。スイスの山小屋風でとてもかわいらしい建物です。当時、野付牛の人々は、森の中にできた洋館を大変珍しがったとか。やがてピアソン夫妻の献身的な人柄も手伝って、洋館を訪れる人が後を絶ちませんでした。

夫妻が残した品々を展示

そんな洋館は、夫妻が15年生活し、アメリカへと帰国した後、北見地方の文化の拠点となったり児童相談所などとして利用されてきました。そして現在は夫妻やウィリアム氏の功績、北見の歴史を紹介する「ピアソン記念館」として内部も見学できます。賛美歌の伴奏に使われていたアイダ夫人のオルガンや、アメリカから取り寄せた鐘など、数々のゆかりの品や写真、資料が展示され、当時を偲ばせます。スマートフォンやタブレットで音声ガイダンスを受けることもできますよ。

守られる記念館は今も人々の憩いの場

もう築100年を過ぎた建物ですが、そんな古さを感じさせないほど美しく保存され、今日まで大事にされてきたことがうかがえます。さりげなく下がるランプもレトロですね。北海道遺産としても認定され、本州や海外からも見学に訪れる人がいます。記念館としての利用だけではなく、時おりコンサートやワークショップの会場にもなり、今も昔も変わらず人々の憩いの場としてあり続けています。長らく愛され続ける洋館を訪れて、ぜひ夫妻の人柄にふれてみてください。

ピアソン記念館

所在地:北見市幸町7-4-28
電話:0157-23-2546
時間:9:30〜16:30
休業日:月曜(祝日の翌日休、祝日の場合は開館)
料金:入館無料
交通:JR北見駅から徒歩15分
HP:http://www.npo-pierson.org/

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