[雪 × 野生動物] 陸・海・空で感動体験

公開:2018年9月1日
ひがし北海道の冬の楽しみの一つは、道東の大自然で冬を過ごす動物たちとの出会い。湿原では夕日をバックにタンチョウが連なって飛んでいたり、群れになって現れたエゾシカがつぶらな瞳でじっと静観していたり。流氷が接岸した海上には精悍なオジロワシや、海面からひょっこり顔を出す愛らしいアザラシの姿。キタキツネなど北海道でお馴染みの動物たちもよく見かける。渡り鳥たちにとっては中継地や越冬地として絶好のスポットになっている。そんな北の動物たちにとって重要な役割を果たしているひがし北海道は、さまに野生動物の宝庫。厳しい北の大地の冬をたくましく生きる姿は一生忘れることのできない思い出になる。
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海面からひょっこり
顔を出す愛らしい姿のアザラシ

浅瀬や流氷の上にいることが多く、のんびりと寝転がっている姿はまさに海の住人。北海道近海ではゼニガタアザラシ、ゴマフアザラシ、クラカケアザラシが見られるほか、稀にアゴヒゲアザラシ、ワモンアザラシが現れることも。ゼニガタアザラシは太平洋側で、ゴマアザラシとクラカケアザラシは羅臼沿岸の流氷の上で繁殖する。
ここで見られる
羅臼の沿岸(羅臼町)

10月から4月頃に現れる
日本で最大級の猛禽類オオワシ

その端正な顔立ちと力強い姿はまさに鳥類の王者といった風格。翼を広げると240cm近くになる。全身が黒っぽい茶色で覆われ、くちばしが橙黄(とうおう)色、翼の前側は白い。北海道で越冬し、海岸や河川近くをねぐらにしている。国の天然記念物で絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
ここで見られる
オホーツク沿岸など
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多くは冬鳥として越冬し
海岸などに生息するオジロワシ

オスよりもメスの方がひと回り大きくて、一度つがいになった相手と一生をともにすることでも知られる。全身が茶褐色で尾羽が白く、黄色がかっている口ばしと足が特徴。海岸や湖沼などで魚を捕食することが多い。多くは冬鳥として越冬するが根室海峡沿いに春から夏にかけて繁殖している。国の天然記念物、絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
ここで見られる
羅臼・根室など(夏はひがし北海道)

日本では北海道だけで見られる
美しい湿原の神タンチョウ

全長140cm、羽を広げると240cmに達する。全身が白くて、頭頂部が鮮やかな赤色を帯びているのが特徴。アイヌ語でタンチョウのことを 「サルルンカムイ(湿原の神)」 という。日本で繁殖する唯一の野生ツルであり、北海道東部の湿原を中心に生息。ツル目ツル科ツル属、絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
ここで見られる
・釧路市丹頂鶴自然公園 (釧路市鶴丘112)
・阿寒国際ツルセンター (釧路市阿寒町上阿寒23線40番地)
・鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ (鶴居村字中雪裡南)
・鶴見台(鶴居村下雪裡)
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つぶらな瞳がかわいらしい
北海道に生息するニホンジカ

日本に分布しているニホンジカの仲間で北海道にだけ生息している「エゾシカ」。赤褐色の毛色は冬になると灰褐色に変わり、白斑点がなくなる。ニホンジカの中でもっとも体が大きく、オスの体重は140kgを超えるものも。角があるのはオスだけ。角は毎年春に落ち、代わって新しい袋角が生えてくる。繁殖期は10〜11月で、森林地帯に生息しているが、道路でも大きな群れに出会うことがある。車の移動ではエゾシカの飛び出しに注意が必要。
ここで見られる
釧路・阿寒・別海・弟子屈など ひがし北海道各地

つぶらな瞳に大きな尾っぽ
立ち姿に癒されるエゾリス

北海道に広く分布しているリス。平野部から標高1700mの森林に生息し、木の上に巣を作って生活している。冬は朝方にだけ活発に活動しているが、日中は巣の中で過ごすことが多い。エゾシマリスよりも大きく、茶色の毛並みは冬になると灰褐色になる。シマリスは冬眠するが、エゾリスは冬眠せずに土の中に埋めた木の実などを食べている。
ここで見られる
阿寒湖自然探勝路・ボッケ遊歩道(釧路市阿寒町阿寒湖温泉)
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遭遇率が高い野生動物
夜によく見かけるキタキツネ

ネコ目イヌ科のアカギツネに属するキツネ属。体長は60〜80㎝ほどで、尻尾が大きく鼻先が長い。平地から高山地まで、ひがし北海道地区を中心に北海道のほぼ全域に生息している。メスは春先に子供を産んで、オスは単独で行動して子育てはしない。体内にはエキノコックスという直接触れると感染する寄生虫を持っているので、接触することのないように気をつけたい。
ここで見られる
別海・斜里・釧路などひがし北海道各地

白く美しい冬の風物詩
北海道を代表する水辺の冬鳥

ユーラシア大陸とアメリカ大陸の北極圏に繁殖分布し、春と秋に北海道の湖沼に飛来する「ハクチョウ」。離陸する際には水面を蹴って助走をつけて飛ぶのが特徴。オオハクチョウとコハクチョウでは大きさの違いがはっきりしていない。オオハクチョウはくちばしの黄色い部分が半分くらいあり、コハクチョウは黄色が小さく、黒い部分が大きい。
ここで見られる
・屈斜路湖(弟子屈町字美留和)
・濤沸湖(網走市・小清水町)
・釧路湿原国立公園(釧路市・釧路町・標茶町・鶴居村)
・十勝川温泉アクアパーク (音更町十勝川温泉)
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日本で唯一北海道に生息
絶滅危惧の神秘の海獣、トド

日本では北海道だけに生息する海の哺乳類。サハリンや千島列島から来遊し、海岸部で水中の魚を食べながら暮らしている。アシカの仲間で最大の大きさを誇る。体重はオス1000kg、メス300kgほどで個体差があり、一夫多妻のハーレムを形成。北海道でウォッチングできるのは12月から5月頃まで。羅臼の沿岸ではメスが多く見られる。
ここで見られる
羅臼の沿岸(羅臼町)

アイヌからの北の守り神
世界最大級のフクロウ

フクロウの中では最も大きく、全長70㎝、翼を広げると180㎝ほどの大きさになる「シマフクロウ」。北海道では知床をはじめとする道東に生息し、知床には全体の3分の1のシマフクロウが生息している。生息数が170羽ほどで希少価値が高く、国の天然記念物で絶滅危惧種にも指定。アイヌ語でコタンコロカムイ(村を守る神)と呼ばれ、昔からアイヌでは村を守ってくれる神様として崇めていた。
ここで見られる
鷲の宿シマフクロウオブザバトリー(羅臼町共栄町)
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※掲載の内容は2018年9月現在のものです。内容が変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。

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